11月のカレッジ:先輩実践者から学ぶ

前回は、地域の70代の方々から昔のお話をうかがい、「聞き書き」を通して、かつての地域の姿、くらしについて学びました。
今回は、参加者の皆さんとも年代の近い40代のお二人にご協力いただきました。現役世代であるお二人に「取材」をし、その内容をそれぞれの参加者の方のフィルターを通してまとめてもらうことにしました。

協力者のお一人は、武笠雄志郎さんです。町内で木の家づくりにこだわる住宅会社を経営されています。実際に会社の敷地内にあるモデルハウスにお邪魔して、お話を伺いました。県産材にこだわった木のお家は、入った途端に木の香りに包まれ、あたたかく、とても居心地の良い空間でした。体感するだけでも十分良さを実感できるお家でしたが、武笠さんにお話を伺うと、家づくりに込める想い、その家に住む家族の幸せをも考える家づくりに聞き手の皆さんも感動するばかりでした。家づくりだけでなく、地域のことや、社会のことや様々なことにお話は広がり、充実した時間となりました。

  

もうお一方は、インターネットでの衣料品販売業を手がけていらっしゃる松村真一さんです。大学進学を期に県外へ出た松村さんは、世界を旅し、さまざまな職業を経験しながら地元に戻り、現在の形になったそうです。常にアンテナを張り、その時々の「これだ」というものを嗅ぎ分けて来られた松村さんから、まさに今後を考えている最中のカレッジの皆さんも多くの刺激をもらったようです。
また、年齢を重ね、父親となった松村さんは、地域活動にも積極的に関わるようになったそうです。集落の青壮年会にも入り、「地域の大人たちが楽しく暮らしている姿は子ども達にも伝わる。子ども達の将来の選択にも大きく影響するだろう」という想いで、仲間と共に考え、実行していく姿はとても頼もしく感じました。

10月のカレッジ:生き方から学ぶ「聞き書き」

今回は、NPO法人共存の森ネットワーク理事長澁澤寿一氏を特別講師としてお招きし、「聞き書き」に挑戦しました。澁澤さんは「聞き書き甲子園」という毎年100人の高校生が「森・海・川の名手・名人」を訪ねて、知恵や技、生き方、価値観を聞き書きし発信するという活動を、17年間続けておられます。

はじめに、澁澤さんより「聞き書き」の目的や心得について講義をいただきました。今回は、若狭に生まれ育ってきた方にその生き方をうかがうことによって、過去を知り、そして、これからの未来を考える際のヒントを探ろう、思考の幅を広げようという目的で、聞き書きに取り組みました。参加者は3組に分かれてお話を伺い、最初はお互い初対面で緊張もありましたが、話し手の方に子ども時代のお話やご家族のこと、お仕事のことなど大変興味深いお話をしていただくにつれ、どの組も予定していた時間を越えてもお話が尽きることがなかったようです。

2日目は聞き書きの編集作業です。まずは録音していた音声を書き起こし、さらに話し手の方の人柄や想いが伝わるように、編集作業を重ねていきます。初めて聞き書きに挑戦した参加者の方々は、話し手の方のお話や生き方そのものに向き合うこと、また、それを形にしていくという責任感等、これまでにないとても充実した体験となったようです。

聞き書きは、初対面だった話し手と聞き手が、人生を語ること、それに真剣に耳を傾けるという対話を通して、ほんの数時間のことでもそれぞれの距離感がぐっと近くなります。今回も年齢、性別、育ちの全く異なる人同士がつながり、貴重な経験となったようです。この温かなつながりがこれからも続いていけば、と願っています。

9月のカレッジ:若狭の自然を活かす仕事

前回までは、湖・海・里のくらしについて特に昔の話を中心に聞いてきましたが、今回は、現代~未来の「自然と関わる仕事」について考える回となりました。

まずは若狭で実際行われている自然を活かす仕事を体験するために、1日目はカヤックツアーのガイドを体験しました。この日は前日まで続いた雨の影響もあり、あいにくの曇天と気温も低めでしたが、通常のツアーコースをめぐり、ツアーガイドの一端を体験してもらいました。そして、夜の懇親会では、実際に若狭でガイドに携わっている若者2名も加わり、その仕事への向き合い方について刺激を受けた参加者もいたようです。

2日目は、朝からサイクリングツアーを体験しました。自動車では通らない細道を通り、違った角度から若狭の湖や町並みを見つめ直すことが出来ました。実際にサイクリングツアーでも使用されている電動アシスト付き自転車でしたが、3時間たっぷりのサイクリング終了後には、心地よい疲労感がありました。

午後からの座学では、代表の田辺より、実際に行っている自然を活用したアクティビティーツアーの運営方法について解説し、持続的な経営、自然を活かしながら生活をする働き方について、参加者の皆さんと深く議論することができました。

自然と関わる仕事、また、若狭のような田舎で自分らしく生きていくための仕事、働き方について、答えはひとつではありませんが、それぞれの皆さんが自分を見つめ直したり、また共有することができ、とても有意義な時間となったと思います。

7月のカレッジ:若狭を知る②「海編」「里編」

前回は湖のくらしをうかがったので、今回は海編、里編です。

1日目は若狭、常神半島に位置する神子集落です。ここで漁業と民宿を営んできた森下幸一さんに、半島の漁村のくらしを伺いました。昔の漁師村の連帯感と厳しいしきたりのお話は、厳しい自然条件、限られた土地の中で36戸の家族が生きていくために築かれたものだったのでしょう。

印象的だったのは、神子集落は昭和42年に道路が通るまで、よそへ行くには移動手段は船しかありませんでした。これまで半島の奥というと不便なイメージしかありませんでしたが、当時は船を持っていることで自由に移動でき、内陸に住む人が「漁師の人の方がハイカラだった」というように、漁師さんたちは隣町へ買物に、遊びに出かけていたそうです。

2日目は里編、三十三間山の山すその上野集落で、先祖代々農業を生業としてこられた石井達さんに、里のくらしについて教えていただきました。

上野集落の周辺は現在は水田が広がっていますが、かつては養蚕や葉タバコもしていたそうで、絹糸は海外へも輸出していたそうです。そして、台地の上にあり、集落内に川が流れていない上野では、かなり古く(江戸時代?)に近隣の川から用水路を引いたそうです。そして、現在ではその水量豊富な用水路を活用し、冬の融雪にも活用しています。この融雪設備がとてもシンプルな仕組みながら、絶妙な工夫がされてあるものでした。上野集落の水扱いにただただ感心させられました。

 

それぞれのお話をうかがい、同じ時代でも海と里のくらしは、全く違うように感じました。それは、今とは違ってそれぞれの集落の行き来が少なかったこともありますが、それぞれの暮らしがそこの自然と密につながっていたからでしょう。そして、どちらも自然や社会変化によって何度も大変な局面にあい、その度に、皆で知恵を出し合い、皆が手や体を動かしていた、という姿が見えてきました。そうしなければ生きていけなかった時代ではありますが、便利で不自由のない現代においても、そのような先輩方の姿勢は見習い、受け継いでいきたいもののひとつです。

6月のカレッジ:若狭を知る①「湖編」

若狭ソーシャルビジネスカレッジ「プレ講座」として開催した6月2~3日の回は、遠方は東京や大阪から3名の方、そして県内在住のIターンの方8名、計11名の方々に参加いただきました。

先ずは、若狭になじみの薄い方が多いため、1日目は「田辺一彦からみた若狭」と題し、カレッジの代表田辺が若狭各所をご案内しました。ここで生まれ育ち、活動している立場である田辺から、一般的な観光案内では見えてこない地域の姿をお伝えできたのではないかと思います。

2日目はもう少し深く知るために、湖のくらしについて、三方五湖の湖畔で生まれ育ち、湖とともに生きてきた田辺福富さんにお話を伺いました。そして、実際に船で湖に繰り出し、水月湖~菅湖、久々子湖をご案内いただきました。福富さんが子供のころ、今からおよそ60年前は道も舗装されておらず、移動手段は舟が主流だったそうです。また、かつては湖の漁業も盛んで、集落全員で大きな網をつかって漁をし、滋賀県へ売りに行くほど獲れていたそうです。お話を聞きながら、今とは全く異なる風景とくらしがあったことを想像し、また、その豊かだった湖がなぜいまのような姿になっているのか、過去のことに想いをめぐらせながら、何を学んで、これから生かしていくのか、様々なお話をすることができました。

初めてお会いする方々と深いお話ができ、とても充実した回となりました。

 

一期生募集説明会@若狭 開催しました

昨日は、若狭も春爛漫、いい日和のなか、30名弱の方々が説明会にお越しくださいました。

はじめに、カレッジ実行委員会の代表田辺より、カレッジ開講に至った経緯、想い等をご説明させていただきました。

続いて、特別講師のNPO法人共存の森ネットワーク理事長 澁澤寿一氏にも基調講演をお願いしました。

澁澤さんには、「第0回のカレッジ講義」として、今後目指す地域の姿について、そして自分たちが人や自然とどう関わりながら暮らしていくのかについて、ヒントとなるような考え方をお話いただきました。

説明会には、すでに参加申し込みをされた方もいらっしゃいましたが、参加をご検討中の方からも、「幸せとは何か、今後について考える良い機会となった」というご感想をいただきました。

カレッジ本編では、共に語り合い、それぞれの幸せ実現のために、少しでも近づけるお手伝いをできたら、と考えております。

 

参加申し込みは4月8日(日)まで受け付けております。

説明会は今回で最後となりますが、お問い合わせはメールやお電話で随時お受けしておりますので、お気軽にお問い合わせください。

一人でも多くの方と、想いを共有できるのを楽しみにしております。