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10月のカレッジ:生き方から学ぶ「聞き書き」

今回は、NPO法人共存の森ネットワーク理事長澁澤寿一氏を特別講師としてお招きし、「聞き書き」に挑戦しました。澁澤さんは「聞き書き甲子園」という毎年100人の高校生が「森・海・川の名手・名人」を訪ねて、知恵や技、生き方、価値観を聞き書きし発信するという活動を、17年間続けておられます。

はじめに、澁澤さんより「聞き書き」の目的や心得について講義をいただきました。今回は、若狭に生まれ育ってきた方にその生き方をうかがうことによって、過去を知り、そして、これからの未来を考える際のヒントを探ろう、思考の幅を広げようという目的で、聞き書きに取り組みました。参加者は3組に分かれてお話を伺い、最初はお互い初対面で緊張もありましたが、話し手の方に子ども時代のお話やご家族のこと、お仕事のことなど大変興味深いお話をしていただくにつれ、どの組も予定していた時間を越えてもお話が尽きることがなかったようです。

2日目は聞き書きの編集作業です。まずは録音していた音声を書き起こし、さらに話し手の方の人柄や想いが伝わるように、編集作業を重ねていきます。初めて聞き書きに挑戦した参加者の方々は、話し手の方のお話や生き方そのものに向き合うこと、また、それを形にしていくという責任感等、これまでにないとても充実した体験となったようです。

聞き書きは、初対面だった話し手と聞き手が、人生を語ること、それに真剣に耳を傾けるという対話を通して、ほんの数時間のことでもそれぞれの距離感がぐっと近くなります。今回も年齢、性別、育ちの全く異なる人同士がつながり、貴重な経験となったようです。この温かなつながりがこれからも続いていけば、と願っています。